〜寒さから身体を守るために〜**
冬の冷え込みが強くなると、関節や筋肉が硬くなり、痛みや不調を訴える方が一年で最も多くなります。
「最近痛みが強い」「冷えた日は動きづらい」など、冬特有の症状にお困りではありませんか?
ここでは、冬に増える代表的な整形外科疾患と、その予防のためにできることをまとめました。
1. 膝や腰の痛み(変形性関節症・腰痛)
● 冬に悪化しやすい理由
- 冷えにより筋肉が硬くなる
- 血流が悪くなり、痛み物質が溜まりやすい
- 運動量が減って関節の可動性が落ちる
● よくみられる症状
- 朝のこわばり
- 動き始めに起こる「ズキッ」という痛み
- 立ち上がりや階段での重だるさ
● 対策
- サポーターやカイロで膝・腰を温める
- 室内でできる軽い体操を習慣にする
- 痛みが続く場合は早めに受診を
2. 冷えによる肩こり・首の痛み
冬は肩や首まわりの血流が滞りやすく、張りや痛みが悪化しがちです。
● 主な症状
- 首筋の張りや重だるさ
- 肩甲骨周囲の痛み
- 頭痛や手のしびれを伴うことも
● 対策
- マフラーなどで首元を冷やさない
- ストレッチや肩甲骨を動かす運動を取り入れる
- デスクワーク時は1時間に一度の休憩を
3. 手・足のしびれ(末梢神経障害)
寒さで血管が収縮し、神経が刺激されやすくなるため、手足のしびれが増えます。
● よくある原因
- 頚椎症による神経の圧迫
- 坐骨神経痛
- 糖尿病に伴う末梢神経障害
● 対策
- 手袋・靴下でしっかり保温
- 長時間の猫背姿勢を避ける
- しびれが続く場合は医療機関に相談
4. 転倒による骨折(高齢者に多い)
冬は滑りやすい路面や段差で転倒リスクが上がります。
特に 大腿骨頸部骨折・手首の骨折・脊椎圧迫骨折 などが増える季節です。
● 予防策
- 滑りにくいスリッパや靴を選ぶ
- 夜は早めに照明をつけて足元を明るく
- 太もも・体幹を鍛える運動で転倒予防
5. ぎっくり腰(急性腰痛)
筋肉が冷えて硬くなる冬は、ちょっとした動作でもぎっくり腰を起こしやすくなります。
● 起こりやすい場面
- 朝、靴下を履こうと前屈みになったとき
- 重い荷物を持ち上げたとき
- 床から立ち上がる瞬間
● 対策
- 急な前かがみを控える
- 体を温めて筋肉の柔軟性を保つ
- 軽い運動で筋力を維持
6. 腱鞘炎・関節リウマチの悪化
冷えによって炎症が強くなり、手の動かしづらさや痛みが増えることがあります。
● よくみられる症状
- 朝の強いこわばり
- 指の曲げ伸ばし時の痛み
- 握力の低下
● 対策
- 手首や指を温める
- 手を使いすぎないよう負担を調整する
- 痛みが強い場合は無理をせず受診を
冬を快適に過ごすために
寒い季節に痛みが強くなるのは、多くの方に見られる自然な身体の反応です。
しかし、日々の工夫や早めの治療によって 症状を大きく改善することができます。
- 「冬になると痛みがつらい」
- 「朝のこわばりが気になる」
- 「急に痛みが出た」
このような症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
お一人おひとりに合わせた治療や予防法をご提案いたします。
