関節の主な疾患
関節リウマチ
関節リウマチの症状・原因
関節リウマチは、女性が30～50歳の間によく起こる病気です。手指、手、肘、肩、足、膝、股などのたくさんの関節が痛みと腫れを起こし、関節が炎症を起こして徐々に破壊されていきます。関節リウマチの原因ははっきりしていませんが、細菌やウイルスの感染、過労やストレス、喫煙、出産やケガなどが引き金となることがあります。
関節
関節リウマチの治療方法
関節リウマチの治療は、薬物療法が基本となります。薬を使って関節の腫れや痛みを抑え、関節破壊の進行を抑制します。ステロイド注射やヒアルロン酸注射を関節に行うこともあります。また、リハビリテーションも関節機能の改善に役立ちます。関節リウマチの治療は早めに始めることが重要です。
Q&A
食事に関して注意することはありますか？
関節リウマチによる食べ物の制限はありませんが、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。食べ過ぎによる肥満は関節に負担をかけますので注意が必要です。また、鉄分、カルシウム、良質のタンパク質を摂取することもオススメです。
飲酒しても大丈夫ですか？
薬物治療を受けている場合は、アルコールが治療の効果に悪影響を与えることがありますので、医師に相談してください。
喫煙はしてもいいですか？
関節リウマチの原因の一つとして喫煙が関係しています。関節リウマチの予防や改善のためには、喫煙を控えることが重要です。
へバーデン結節
へバーデン結節の症状・原因
へバーデン結節は、指の第1関節であるDIP関節が変形し、曲がってしまう原因不明の変形性関節症です。40代以降の女性に多く見られます。
へバーデン結節では、以下のような症状が現れます。
- ・骨の変形やゆがみ
- ・腫れや痛み
- ・指の曲げ伸ばしの制限
- ・物をつまむ動作の痛み
- ・安静時にも痛みを感じること
- ・ミューカシスト（水ぶくれ）の発生
へバーデン結節の原因ははっきりとは分かっていませんが、以下の要因が発症リスクを高めると考えられています。
- ・年齢（特に40歳以降）
- ・家族歴
- ・肥満
- ・痛風
- ・関節への負担
へバーデン結節の治療
へバーデン結節の治療は、保存療法として始められます。具体的な治療方法は以下の通りです。
- ・痛みのあるDIP関節に対して消炎鎮痛剤や漢方薬の内服
- ・テーピングなどで固定・安静にする
- ・痛みが強い場合にはステロイド注射を検討
- ・エクオールを含むサプリメントの摂取で改善する場合もある
Q&A
へバーデン結節の予防方法は？
へバーデン結節を予防するためには、以下のことに注意することが重要です。
- ・関節への負担を避けるため、固定をする
- ・負担のかかる仕事を避ける
- ・食事管理や体重減少を心がける
食事で気を付けるべきポイント
食事面での注意点は次のようになります。
- ・豆乳や大豆製品など、豆類を積極的に摂取する
- ・炎症を抑える効果があるDHAやEPAを多く含む食材（サバ、イワシなどの青魚）を積極的に摂取する
- ・糖分の多い食事や肥満の進行は病気を悪化させるため、食事管理と体重減少にも注意する
変形性股関節症
変形性股関節症の症状・原因
変形性股関節症は、股関節の軟骨が摩耗していくことで痛みや関節の運動障害が起こる状態です。主な原因は老化や運動による負荷、体重の影響（肥満）や遺伝的要因です。また、生まれつき股関節が脱臼していたり、股関節の形成が不完全だったりする場合もあります。変形性股関節症は、関節リウマチと間違われることも多い病気です。
症状としては、股関節に痛みが現れます。この痛みは下肢の付け根部分に生じることが一般的ですが、太ももや膝にも放散することがあります。また、関節の動きが悪くなり、下肢の長さに違いが出ることもあります。症状が進行すると、安静にしていても痛みが現れることがあります。
変形性股関節症の治療方法
変形性股関節症の治療では、まずは保存療法が行われます。痛みのある部位には消炎鎮痛剤を内服したり、温熱療法や冷却療法を行ったりします。痛みが強い場合にはステロイド注射が行われることもあります。また、運動療法では股関節をリラックスさせ、正しい関節の動きを促すことを目的としています。運動によって股関節の可動域が広がり、関節内の液体が軟骨に栄養を供給し、健康な状態を維持する効果があります。重度の変形や生活に支障がある場合には手術が検討されることもあります。
Q&A
おすすめの運動はありますか？
股関節に負担の少ない運動としては、軽いウォーキングや水中でのウォーキング、軽めのヨガ、軽めの自転車こぎなどがおすすめです。
なぜ、避けたい動きがあるのに運動療法を行うのか？
運動療法はリハビリテーションの一環として非常に重要です。適度な運動は股関節の固まりやこわばりを防ぐことができ、股関節周りの筋力を維持することにも役立ちます。避けるべき動きを避けながら、股関節を動かすことで症状の進行を防ぎ、日常生活の質を向上させることができます。
